
事業化への取り組みに付いて
【 農業への用途開発~ビニールハウス用暖房システム 】 事業化に当り、先ず考えたのが農業向けの用途で、ビニールハウス栽培への導入だった。
従来、ビニールハウスの暖房は、温風加熱方式や温水循環方式が採られているが、暖めたいのは土壌なのに対して、温風は上昇する等、熱のロスが大きく、大きな熱量を必要とする問題点を抱えていた。
デコポン (熊本県特産のオレンジの一種) 農家から、温風加熱に代えて、土壌を直接暖めることが出来ないかとの相談を受けた事も切っ掛けとなって、「土中配管方式の熱サイフォンシステム」の試作品を完成させた。

このことにより、
①.熱効率の飛躍的向上と均一な温度環境の実現
②.作物に直接温風が当らない
③.必要に応じ冷却にも使用可能
といった効果が得られ、燃料費等の大幅削減や作物の良好な育成環境の実現が可能となった。
実用化に向けた実証研究に付いては、農業の専門家である熊本県立大学の、松添教授に協力を得て、小佐井教授と3者で研究グループを結成し、現在も研究を続けている。
また、南九州大学 (宮崎県) の川信教授とも共同でトマトとイチゴの栽培に関する研究を行っている。
南九州大学等との共同研究は上記、熊本県立大学の松添教授の紹介によるもので、そうした 先生同士のネットワークの活用が役立っているのを痛感した。
熊本県内の観葉植物のビニールハウスにも採用され、良好な育成度合いや寿命の延び・燃料費等の大幅削減といった効果が出て好評を博している。
また、EUなどのビニールハウス等は、国内のそれよりも大規模なものが多く、光熱費の大幅なコスト削減と、作物の育成状況も良いともなれば、需要がかなり大きいために、飛躍的な事業拡大が見込まれるものと思われる。
しかも光熱費削減=Co2削減にもつながり、環境にも優しいシステムとなるため、EUが補助金を出す準備をしているとのことである。

図のビニールハウスは、熊本市内の事例であり、熱サイフォンの仕様は、φ50 × 長さ6m × 600本 で全長は、3,600mに及ぶが 循環湯量は、180ℓで済んで いる。
(尚、m当たりの循環湯量は、僅か50ccで済んでいる)